大判例

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仙台高等裁判所 昭和28年(う)907号 判決

原審第四回公判調書によれば、検察官は、司法警察官の金永寛に対する聴取書を、刑事訴訟法第三百二十一条第一項第二号の書面として証拠調の請求をしたこと、及び原裁判所は同公判期日において右聴取書を証拠調したことが明かである。而して右聴取書は刑事訴訟法第三百二十一条第一項第二号の書面に該当するものではなく、同条項第三号の書面と解すべきであるから(所論の如く同条第三項に該当するものではない)検察官が之を同条項第二号の書面として証拠調の請求をしたことは誤りであることは疑いがない。しかしながら、右公判調書によれば同公判期日において被告人又は弁護人は右聴取書を証拠とすることに同意したことが明らかであり、かつ記録に徴し金永寛が右供述をしたときの情況を考慮すれば、之を証拠とすることは相当であることが認められるから、右聴取書が刑事訴訟法第三百二十六条第一項により、証拠能力を有することは明かで原裁判所が之を証拠調をし判決に援用したことは何等違法ではない。原審第四回公判期日の以前において被告人または弁護人が、右聴取書を証拠とすることに不同意を表明したことは、右第四回公判期日においてした同意の効力に影響を及ぼさないことはもちろん、期同日の調書に同意ありし旨の記載がある以上、その同意がなかつたということはできないし、検察官が右聴取書が刑事訴訟法第三百二十一条第一項第二号に該当するものであると述べ、証拠調請求をしたことからいつて、被告人または弁護人の右同意の効力に影響があるものでもない。また刑事訴訟法第三百二十六条第一項によつて証拠能力を取得するに当つて同条項所定の要件以上に、同法第三百二十一条第一項第三号所定のいわゆる特信性を具備することを要するものではなく、その供述者が黙否権を告知せられて供述したことを必要とするものでもない。これを要するに論旨は事実及び法律上の独自の見解に立つものであつて採用することを得ない。

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